野山にまじりて、石を割る。

栃木県と周辺の鉱物。

2023年12月30日

かつて珪長石や石材の採掘が行われていた、大変有名なヤマに行ってきました。 この手の有名産地は、ヒトがたくさん居たり、ゴミが散らばってたり、そもそも石が枯渇してたりと、あまり良い印象はありません。 そんな理由から、今回は半ばハイキングのつもり…

2022年11月26日

岩石に高温の熱水が浸透すると、造岩鉱物である長石や石英が分解されて、カリウム・ナトリウム・カルシウム・珪素などが溶けて流れ去っていくそうです。 一方、難溶性のアルミニウムやチタンなどは、岩石側に残ります。したがって、岩石は変質が進むほど、ア…

2022年11月12日

あまりの気候の良さに開拓精神が爆発しまして、以前に目を付けておきながら、放ったらかしになっていたヤマを探査しました。 ターゲットは単純な裂か充填石英脈。母岩は頁岩・砂岩・凝灰岩・花崗閃緑岩および、これらの巨礫からなる礫岩。石英脈中の金属を対…

2022年10月8日~9日

銀黒ツアーと題しまして、伊豆半島各所で含金銀石英脈だけを拾ってきました。若干ストイックなツアーと思います 伊豆はご存知の通り、金・銀の産出地として古来より有名で、160箇所に及ぶ露頭が見いだされています。多くは安山岩など中性~塩基性火山岩類に…

2022年9月23日~24日(その2)

今回はちょっと珍しいタイプの鉱床。 プロピライトを母岩として、黄銅鉱主体の網目状鉱脈鉱床が形成され、これが二次富化を受けて生じたデュルレ鉱(輝銅鉱)を対象に稼行した鉱山です。 デュルレ鉱 Djurleite Cu31S16 帯青色金属光沢の部分。しかし他の硫化物…

2022年9月23日~24日(その1)

今回は秋の山梨巡りに行ってきました。ほうとう食って、温泉も入って、ぶどうは最盛期と、観光でも大変よいところでした。そう、台風さえ来てなければな(ずぶ濡れ) 大雨と濁流に阻まれ、幾つか行程の変更を余儀なくされましたが、念願の葡萄石をはじめ、各種…

2022年9月10日

各種稀産鉱物を産した事で有名な御斎所鉱山に行ってきました。Mnヒ酸塩や南部石が欲しくて、過去にも何度か訪れていますが、今のところ全敗となっております。そして今回も、しっかり敗北しました。 何の成果も得られませんでしたァでは救いがないので、悔し…

2022年9月3日

栃木県最大の鉱山にして、わが国最強の銅鉱床である足尾鉱山。産出鉱物の記録は常軌を逸していて、30センチの自然蒼鉛、10センチの蛍石、30センチの紫水晶クラスターなどなど、完全におとぎ話の世界です。 ところが現在では、ほとんど鉱物の観察はできません…

2022年8月5日

今回は、以前開拓したアメシスト産地で、その残りを回収してきました。 脈延長部や平行脈が無いかを確認するだけのつもりで今回訪れた訳ですが、幸運にも、再び素敵な水晶を得る事ができました。 前回は掘進に夢中でしたが、せっかく鉱脈露頭から採集できる…

2022年7月1日~2日(その4)

秩父産としては、さほど良い物ではないのでしょうけど、なんとなく記事にまとめてしまったので、供養がてら投下しておこうと思います。 私は秩父初心者なので、このレベルの物でも、喜んで拾ってきます。 灰礬柘榴石 Grossular Ca3Al2(SiO4)3 泥質の堆積岩は…

2022年7月1日~2日(その3)

水晶や柘榴石といった、誰が見ても分かる鉱物というのは、採集による強い淘汰圧にさらされ、既に絶滅しているか、ロクな物が残ってない場合が多いですよね。 一方、地味で細かな物たちは、メインターゲットにされにくい分、案外良いやつが生き残ってる場合が…

2022年7月1日~2日(その2)

秩父鉱山とその周辺は、産出鉱物が多種多様で、何度訪れても飽きさせない産地です。 国内のスカルン鉱床は大きく分けて、灰鉄輝石中の鉛・亜鉛鉱石を主体とする神岡型、柘榴石中の鉄・銅鉱石を主体とする釜石型、そして秩父鉱山を筆頭とする秩父型の3つに分…

2022年7月1日~2日(その1)

秩父の石英閃緑岩の小ガマ。石英や長石の他にエピドートが生えてた。東日本だと晶洞性の深成岩は珍しいので、こんなんでもテンション上がる pic.twitter.com/c405Lv8Gmm— あてん (@aten_the_miner) 2022年7月6日 Twitterでも投下した、こちらの晶洞。 母岩は…

2022年6月4日(後編)

前回に引き続き、阿武隈山地の石。 阿武隈変成岩にも色々あるようですが、今回探査したのは竹貫変成岩類。主に泥質片岩~片麻岩や、結晶質石灰岩から成ります。 そして竹貫変成岩類からは、ラテライト(Al、Feに富む陸源性の風化土壌)が原岩と考えられる、ア…

2022年6月4日(前編)

阿武隈山地南部には、竹貫変成岩と、そこに貫入した花崗岩体が複数あり、複雑な地質をしています。特に石川町付近ではペグマタイトが発達し、鉱物産地として有名ですね。 今回は、竹貫変成岩の探査をしていた際に偶然発見した、柘榴石を含む花崗岩を、改めて…

2022年5月28日

群馬県みどり市、草木ダム周囲に分布する、花崗閃緑岩質のマグマ(いわゆる沢入岩体)は、基盤の古生層の岩石(泥岩やチャートなどの堆積岩類)に広い範囲で接触変成作用をもたらしました。 冷え固まったマグマは石材に、接触変成を受けた岩石にはマンガン鉱床が…

2022年5月21日(後編)

前回に引き続き、釜石鉱山の石です。 今回は鉱石として利用されない鉱物たち。 幻の釜石石Kamaishiliteを得たい気持ちもありましたが、短い制限時間の中で挑むのは危険過ぎたため、手を出しませんでした。 釜石鉱山では、硼素(B)を含む鉱物が結構あって、こ…

2022年5月21日(前編)

石と賢治のミュージアム主催のフィールドワークに参じるため、憧れの釜石鉱山に行ってきました。 釜石鉱山は鉄鉱山としては国内最強で、近代的な製鉄の祖となった地でもあります。 鉱床は、古生代の石灰岩と花崗閃緑岩の接触部に生じたスカルン鉱床で、マグ…

2022年5月15日 2ヶ所目(後編)

前回の続きです こうして見返すと、結構いろいろと得るものがありました。 タイヤ破裂させて1万失った甲斐があります。 石英 Quartz SiO2 これは私がローズクオーツだと主張している石英の塊です。 手に取った瞬間は、凄く綺麗に見えたんですけど、改めて見…

2022年5月15日 2ヶ所目(前編)

こちらは別な地域。 1ヶ所目と同様に、珪長石鉱山として稼行されたヤマですが、やはり微妙に出てくる鉱物が異なります。 どうでもいいですけど、帰り道の林道でタイヤがパンクして、エライ目に遭いました JAFとタイヤ館の方々には感謝申し上げます。 ジルコ…

2022年5月15日 1ヶ所目

この日はペグマタイトを2ヶ所はしご。 この地域は古くから、珪長石鉱山が多数開発されてて、ここもそのひとつ。 無限にある白い石を見てると気が遠くなるので、ペグマタイトはあまり得意ではないです。好きなんですけどね 鉄礬柘榴石 Almandine Fe3Al2Si3O12…

2022年5月14日

ゴールデン・ウィークの余韻も過ぎたる普通の土日で、少し遠くの産地を訪れました。 こちらは鉱徴地などではなく、火山砕屑物や変質した溶岩中に、標本価値のある鉱物がみられる場所です。 高温石英 β-Quartz SiO2 割れてるのがほとんど。でも若干紫っぽい。…

2022年4月30日

もちろん俺らは採集するで。 甲 武 信 で 。 鉱床とか沿革については、何も知らないので語りません。恥かくので 主要な成果物は既に発表してしまったので、それ以外を投下していきます。 正長石 Orthoclase KAlSi3O8 いわゆる氷長石。柘榴石スカルンの空隙に…

2022年4月29日

甲武信鉱山のついでに訪れた、蛇紋岩中のクロムを対象に稼行された鉱山。 雨の中、苦鉄質岩地帯には行かない方がよいという事が分かりました。 クロム鉄鉱 Chromite FeCr2O4 黒色帯状部分が、粒状のクロム鉄鉱が濃集しているところ。 クロム鉄鉱は蛇紋石に比…

ブログです。

以前、惜しまれつつも(?)3日ぐらいで閉鎖したクソブログを、復活させてみました。 鉱物採集の話が、ほぼ100パーセントになると思います。他に趣味ねえし 健全なブログにしたいと思います。 暇な人は、是非ご覧ください