野山にまじりて、石を割る。

栃木県と周辺の鉱物。

2022年9月23日~24日(その1)

今回は秋の山梨巡りに行ってきました。ほうとう食って、温泉も入って、ぶどうは最盛期と、観光でも大変よいところでした。そう、台風さえ来てなければな(ずぶ濡れ)

大雨と濁流に阻まれ、幾つか行程の変更を余儀なくされましたが、念願の葡萄石をはじめ、各種鉱物を得ることができました。

 

セリウム褐簾石 Allanite-(Ce)

CaCeAl2FeSi3O12(OH)

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ちっさいけど明瞭な結晶。電気石っぽいけど多分褐簾石で間違いないと思います。

もう少し大きく割り取りたかったけど、トリムに失敗してこんなサイズに。というか、母岩の堅さに対して褐簾石が脆弱なため、結晶を浮き立たせるような整形は難しいです。

 

葡萄石 Prehnite

Ca2Al2Si3O10(OH)2

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山梨といったらブドウ!白色の葡萄石脈の空隙に、球状集合がみられます。

トティギ周辺では、葡萄石-パンペリー石相の変成に伴う鉱物産地が無いので、葡萄石がレアミネラルのように感じます。

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結晶面が長方形ベースなので、三角形ベースの石英(水晶)とは容易に区別可能です。光沢も少々柔らかで、砂糖菓子のようです。

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濁沸石を噛んでいるらしく、全体的に母岩が脆弱で、こちらもトリムが難しいです。

 

濁沸石 Laumontite

CaAl2Si4O12・4H2O

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濁沸石って茹でたカニの身みたいですよね。

もっとデカい脈とかもありましたが、どうせ脱水して灰塵に帰すので要りません。地盤や標本に、濁沸石が含まれてると強度が低下するため、各方面で嫌われてるようです。