岩石に高温の熱水が浸透すると、造岩鉱物である長石や石英が分解されて、カリウム・ナトリウム・カルシウム・珪素などが溶けて流れ去っていくそうです。
一方、難溶性のアルミニウムやチタンなどは、岩石側に残ります。したがって、岩石は変質が進むほど、アルミニウムに富む組成に変化していくらしいです。
そうしてできた岩石は、ろう石として採掘され、耐火材などとして利用されます。
今回は、そんなふうな石です。
苦土フォイト電気石 Magnesiofoitite
Mg2Al7Si6O18(BO3)3(OH)4
石英、葉蝋石、ダイアスポア?などに埋没する球顆状集合。集合体の中心と辺縁とで、明らかに類帯があります。
一見地味ですが、何とも言えない緑を帯びた黒っぽい色みと、柔和な絹糸光沢が、良い感じの風合いを醸し出していると思います。しかし、それを写真で表すのは結構難しい
デュモルチ石 Dumortierite
Al7BSi3O18
葉蝋石やダイアスポア?の混合物に埋没する、青色葉片状結晶たち。結晶面が光を反射する部分もみられます。
デュモルチ石というと、角閃石のような針状結晶や、それらの球顆状集合の印象が強いですが、葉片状の物もあるのだろうか?
母岩はかなりアルミナっぽくて、コランダムが来てもおかしくはなさそうですが、文献にはデュモルチと書いてあるので、ひとまずそう思うことにします。
金紅石 Rutile
TiO2
暗赤色金剛光沢の、微細な粒状結晶。ちなみに画像下側の白く反射してる結晶は、鋭錐石ではなく単なる石英です。
石英中に微細な金紅石が散らばっていて、全体としてはピンク色に見えます。紅柱石かと思い拾ってきましたが、良く見れば石英と金紅石の混合物であることが分かります。