野山にまじりて、石を割る。

栃木県と周辺の鉱物。

2022年9月10日

各種稀産鉱物を産した事で有名な御斎所鉱山に行ってきました。Mnヒ酸塩や南部石が欲しくて、過去にも何度か訪れていますが、今のところ全敗となっております。そして今回も、しっかり敗北しました。

何の成果も得られませんでしたァでは救いがないので、悔し紛れにリュックにブチ込んできた石たちを紹介したいと思います。

 

エジリン輝石 Aegirine

NaFeSi2O6

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褐色葉片状の集合がエジリン輝石。ベースはバラ輝石で、橙色のスポットは南部石。

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エジリン輝石の大きな結晶が入った石は、どういう訳か変な形に割れやすく、据わりの良い形にトリムするのに難儀します。

Na輝石グループという事で、Feの半分以上がAlに置き換わると、翡翠輝石となります


フェリゴーセ閃石 Ferri-ghoseite

NaMnMg4FeSi8O22(OH)2

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珪岩に橙色の薄層状で含まれてるやつは、コレだと信じる事にしました。他の角閃石とは区別できないけど、絹糸光沢のある繊維状集合だし、とりあえず南部ではない。はず。

分解しやすいのか、黒いマンガン酸化物に覆われてる事が多いようです。量は結構あるけど、きれいな集合は意外と少なかった。

 

“磐城鉱”  Jacobsite-Q

MnFe2O4

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黒色部分は全部、強烈な磁性あり。

磐城鉱はヤコブス鉱と異なり、石英と共生できる事が特徴だそうで、そうなると、石英と直接する標本が欲しくなります。

この石は磐城鉱を石英とバラ輝石の細脈が切っていて、特徴が良く現れています。ただし磁鉄鉱かもという疑義はある。