2022年6月4日(後編)
前回に引き続き、阿武隈山地の石。
阿武隈変成岩にも色々あるようですが、今回探査したのは竹貫変成岩類。主に泥質片岩~片麻岩や、結晶質石灰岩から成ります。
そして竹貫変成岩類からは、ラテライト(Al、Feに富む陸源性の風化土壌)が原岩と考えられる、アルミナ質の特異な片麻岩が見いだされています。
今回は、その中にみられる、メチャクチャ見栄えのしない鉱物を投下していきます。
十字石 Staurolite
Fe1.5Al9Si4O22(OH)2
黄褐色の粒状結晶。なお矢印は一番目立つ粒を指してるだけで、黄褐色の粒はほぼ全て十字石でした。母岩は珪線石と柘榴石の混ざった片麻岩で、ほとんど石英を含みません。
岩石の研究する上では重要な標本でも、単純な鉱物標本としては何とも言えない感じ。
コランダム Corundum
Al2O3
コランダムの裂開面?らしきもの。以前の探査で数mm大の結晶は確認してるけど、これもコランダムなのかは微妙。
無色~帯桃色ですが、鉄スピネルや磁鉄鉱を包有して、ほとんど灰色っぽく見える。
珪線石 Sillimanite
Al2SiO5
ほぼ全体が珪線石の塊。
微小なものは広く産する珪線石ですが、こんな塊で出てくるというのは知らなかった。
白雲母の分解で生じたものだそうです。
寄りだとこんな感じ。このような繊維状の集合をフィブロライトと呼ぶそうです。
1cm程度のルーズな柘榴石が混ざって、豆大福みたいな感じの物もありました。