野山にまじりて、石を割る。

栃木県と周辺の鉱物。

2022年5月14日

ゴールデン・ウィークの余韻も過ぎたる普通の土日で、少し遠くの産地を訪れました。

こちらは鉱徴地などではなく、火山砕屑物や変質した溶岩中に、標本価値のある鉱物がみられる場所です。

 

高温石英 β-Quartz

SiO2

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割れてるのがほとんど。でも若干紫っぽい。

1kgの砂を持ち帰り、ピンセットによる狂気の手選鉱の末、大さじ1杯を集めました。

私は集中力がキンギョ並みなので、全部終わるまでに半日かかったし、途中で何回かデカめの奇声を発した。とてもつらい

もっと効率的な方法無いんか??

 

灰長石 Anorthite

CaAl2Si2O8

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玄武岩安山岩質溶岩に斑晶として含まれるものを、粉砕して取り出した。

なお本来のポイントには、天候の影響で到達できなかったため、別な場所からの産出品。

やはりグレードは落ちるそうですが、長石弱者にはこれでもありがたいです。

 

菱沸石 Chabazite-Ca

CaAl2Si4O12・6H2O

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変質した溶岩の亀裂に現れた沸石の脈。

菱沸石は通常、その名の示す通り菱形の結晶を作りますが、この産地では、ほとんどがソロバン玉みたいな形をしています。

ファコライト式双晶(Phacolite Twin)と呼ばれる双晶だそうです。

初見では絶対、菱沸石とは思えないですね