野山にまじりて、石を割る。

栃木県と周辺の鉱物。

2022年5月21日(後編)

前回に引き続き、釜石鉱山の石です。

今回は鉱石として利用されない鉱物たち。

幻の釜石石Kamaishiliteを得たい気持ちもありましたが、短い制限時間の中で挑むのは危険過ぎたため、手を出しませんでした。

釜石鉱山では、硼素(B)を含む鉱物が結構あって、この記事の鉱物は全て硼素を含むものを掲載しました。一応組成式も書いてますので、その辺も見てやってください

なお今回採集したズリは、ほとんどが新山鉱床から排出された石との事です。

 

フォンセン石 Vonsenite

Fe3BO5

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あぁ~!硼素の音ォ〜!!

これを採りに来た。釜石まで。

黒色線維状結晶の集合で、大変地味だけど、産地はかなり限られる鉱物なのですよ。

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全体像。地味すぎんだろ…

ズリに転がされてたせいか、円磨されてるのが若干気になるけど、まあいいでしょう。

 

電気石 Schorl

NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4

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変質したひん岩(安山岩質の半深成岩)に、黒色脈状~スポット状で産するようです。言われないと電気石とは思わないですね。

ペグマタイトに現れるタイプ2022年5月15日 2ヶ所目(後編) - 野山にまじりて、石を割る。とは、全く様子が異なります。

 

鉄斧石 Axinite-(Fe)

Ca2FeAl2BSi4O15(OH)

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緑簾石などに伴う、灰紫色部分。

正直持ち帰るか迷うレベルのグレードですが、一応釜石の名物という事で。