2022年5月21日(前編)
石と賢治のミュージアム主催のフィールドワークに参じるため、憧れの釜石鉱山に行ってきました。
釜石鉱山は鉄鉱山としては国内最強で、近代的な製鉄の祖となった地でもあります。
鉱床は、古生代の石灰岩と花崗閃緑岩の接触部に生じたスカルン鉱床で、マグマ側に鉄、石灰岩側に銅の鉱床が胚胎するそうです
フィールドワークでは、鉱床の成り立ちや鉱山の沿革など、基礎的な所からマニアックな話まで出てきて、大変勉強になりました。
今回は主力商品である、鉄と銅の鉱石を投下します。
磁鉄鉱 Magnetite
Fe3O4
組成の示す通り、主要な鉄の鉱石。画像だと赤鉄鉱っぽく見えるけど磁鉄鉱ですよ
主にスカルンのマグマ側に、柘榴石を伴って賦存するそうです。柘榴石の中に角礫状の磁鉄鉱が入ってる標本が有名ですが、なかなか良い感じのやつは見つからなかった
黄銅鉱 Chalcopyrite
CuFeS2
こちらは主要な銅の鉱石。黄鉄鉱っぽい写りですけど、ほぼ全体が黄銅鉱ですよ
主にスカルンの石灰岩側に、単斜輝石などを伴って賦存するそうです。
鉄から始まった釜石ですが、銅も相当な産額だったそう。とはいえ我がトティギ県の足尾鉱山には及ばないようですけどねッ
キューバ鉱 Cubanite
CuFe2S3
正確には「顕下でキューバ鉱が見られる可能性のある黄銅鉱」です。タイトル詐欺か?
ここのキューバ鉱は、方解石+黄銅鉱の低品位鉱のうち、黄銅鉱が白っぽくなってるような部分に多く含まれるそうです。
この石の黄銅鉱は、ほぼ黄銅鉱そのものの色だから、可能性はゼロでは無いものの、少々厳しいかもしれません。